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FX法人化後は税理士顧問を依頼すべき?メリット・デメリットや費用相場

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FX法人と税理士

FXトレーダーの中には法人成りを考える方も多いでしょう。

個人のFX取引により生じた所得は、雑所得として申告分離課税の対象です。何も知らない方がいきなり確定申告をするのは少し難しいかもしれませんが、慣れれば自分でも確定申告書を作る事が出来るでしょう。

しかし、法人成りをした場合はどうでしょう。法人の確定申告は一般的に自分でするのが難しいので「税理士を使うべき」と言われていますが、FX法人の場合もそうなのでしょうか?

ここでは、FX法人を作った場合に税理士を使うべきなのか、税理士に顧問を依頼するメリットやデメリット、依頼する場合の費用相場などについて見ていきましょう。

目次

FX法人は税理士に顧問を依頼すべき!?

FX法人の場合、税理士に顧問を依頼すべきなのでしょうか?
今まで個人で確定申告をして来たのであれば、そのまま法人の申告も自分で出来るだろう、と考えている方もいるかもしれません。

しかし、法人の申告を自分でするのはなかなか難しいのが実情です。

法人の申告をするには、日々の取引に関する記帳をした上で以下の書類を作る必要が有ります。

  • 決算報告書(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・注記表)
  • 勘定科目内訳書
  • 法人事業概況書
  • 法人税確定申告書
  • 法人住民税(地方税)確定申告書

参考:FX専業の法人は基本的に消費税の課税事業者にはならないので、消費税の申告書は省いています。

これらの書類を全部自分で作る事は出来るでしょうか?

仮に、会計や税金の勉強して自分で作成する能力が有ったとしましょう。実際に申告書を作るとなると、会計ソフトや申告ソフトが必要となります(手書きでも作成は可能ですが、かなり大変です。)

勉強をして、さらにソフトの料金を負担してまで自分で法人の確定申告をする必要は有るでしょうか?

答えはNOです。

会計や税金の知識は法人を運営していく上である程度は備えておくべきですが、自分で法人の申告書を作れる必要は有りません。そこは、無理をせず税理士に依頼しましょう。

参考までに、国税庁が公表している法人税申告の税理士関与割合を見てみましょう(参照元:国税庁「令和4事務年度 国税庁実績評価書」)

年度税理士の関与割合
平成30年度89.1%
令和元年度89.3%
令和2年度89.4%
令和3年度89.5%
令和4年度89.5%

実に89%以上の法人に税理士が関与している事が分かりますね。つまり、普通は法人を作ると何らかの形で税理士が関与する、という事です。

業種に関わらず、確定申告書は同じものを作る事になるので、FX法人の場合も迷わず税理士に顧問を依頼した方が良いでしょう。

但し、税理士にどこまでを依頼するかは検討の余地が有りますね。一般的に、税理士に依頼する業務範囲としては、おおまかに分けると以下の選択肢が有ります。

  • ①伝票整理や記帳代行から確定申告書の提出までの全て
  • ②決算手続(決算書の作成)・確定申告書の作成
  • ③確定申告書の作成

顧問料的には①が一番高く、③が一番安いです。どれにするかは、自分が記帳等に費やす事の出来る時間や、費用等と相談して決める様にしましょう。

顧問税理士に依頼するメリット

顧問税理士に依頼するメリットとしては、どの様なものが有るのでしょうか?

面倒な記帳業務から解放される

記帳業務が好きな方はともかく、通常は「あまりやりたくない」「良く分からないし面倒だ」と考えている方が多いのではないでしょうか。

記帳業務をこなしたからといって、売上が増える訳では有りません。記帳に時間を取られるくらいなら、その時間をFX取引に費やしたいですよね。

税理士に顧問を依頼すれば、面倒な記帳業務を代行してくれるのでFXに集中する事が出来る様になります。

節税テクニックを教えてもらう事が出来る。

税金は可能であれば、少なく抑えたいですよね。脱税は絶対に駄目ですが、合法的な節税対策は積極的に取り入れていくべきです。しかし、自分で節税対策を考えるのは限界がありますよね。

税理士に顧問を依頼すれば、節税の方法を色々と教えてもらう事が出来ますよ。もちろん、税理士に支払う顧問料も費用(損金)ですしね。

税務調査も安心

法人を経営していると、数年に一度税務調査が入ります(全く入らない法人も有りますけどね)。

税務調査が入ったとき、顧問税理士がいないと調査対応を自分で全部しなければなりません。

特に、初めて税務調査が入ったときには、調査官に対する恐怖で頭が一杯になる方も多い様です(悪い事をしていなければ怖がる必要はないですし、調査官も鬼ではないですけどね)。

税務調査には独特の対応方法が有り、それは日々色々な会社の税務調査に立ち会っている税理士が良く心得ています。顧問税理士を付けていると、税務調査も安心して乗り越える事が出来ますよ。

顧問税理士に依頼するデメリット

では、逆に税理士を使う事のデメリットとしてはどの様なものが有るのでしょうか。

顧問料が発生する

税理士に顧問をお願いすると、顧問料を支払わなければなりません。これは仕方有りませんね、仕事を依頼する訳ですから。

但し、顧問料がやたらと高い税理士、年に1回しか連絡の無い税理士、確定申告書の作成以外何もしてくれない税理士など様々です。せっかくお金を払うのだから、自分に合った税理士を探したいですね。

FX法人の顧問料相場については、後述するので参考にして下さい。

FXに詳しくない税理士もいる!?

税理士業界の特徴として、「平均年齢が高い!」という点が挙げられます。税理士の年齢や性別などの実態調査は定期的に日本税理士会連合会が実施しており、その調査結果によると、平成26年の開業税理士の年齢層は以下の通りです。

年齢層割合
20代0.6%
30代10.3%
40代17.1%
50代17.8%
60代30.1%
70代13.3%
80代他10.4%

(参照元:日本税理士会連合会「第6回税理士実態調査報告書」)

これを見ると60歳代が圧倒的に多いですね。国税局(税務署)OBの多くが税理士登録する、定年が無い、といった事が年齢層の高い主な理由です。

年齢層が高いと気になる事、それは「そもそもFXを理解していなのではないか?」という点ですよね。

確かに法人税という点では他の業種も同じ枠組みに入るので、税金の計算方法自体は変わりません。しかし、業種によって会計処理の方法や節税のポイント等は異なります。

FXをきちんと理解していない税理士が最善のアドバイスをする事が出来るでしょうか?
最悪の場合、「FXとは何か」から説明をしないといけないという事態になるかもしれませんよ・・・。

補足:年齢が高くてもFXを知っている先生もいますし、税理士事務所のスタッフは若い方も多いので、実際は税理士の年齢をそこまで気にする必要は無いですけどね。

FX法人が税理士に顧問を依頼する場合の費用相場

税理士報酬は、平成14年4月1日に「税理士業務報酬規定」が廃止され自由化されるまでは、基本的に誰に頼んでも大差有りませんでした。しかし、自由化後は税理士によって大きく顧問料の差が出ています。

業種に限らず売上金額で顧問料を決める税理士や、価格勝負をしているので基本的に顧問料が安い税理士、価格競争には乗っからずに高い顧問料を維持する税理士など様々です。

一般的には、税理士が行う記帳代行業務の報酬は、取引(仕訳)の量や売上金額などによって異なるでしょう。

しかし、FX法人が行うメインの取引であるFXの会計処理自体は、それほど難しいものでは有りません。売上金額はFX業者の取引報告書で簡単に把握出来ますからね。

従って、記帳代行無しの顧問契約で月1万円程度、記帳代行を税理士に依頼したとしても月1万円〜1万5千円程度で済むでしょう。但し、これはFX専業の法人が前提なので、FX以外にも事業を行っている会社の場合はプラスαの料金が発生します。

参考:FX業者を複数利用している場合は、業者の数に応じて顧問料が増える(1業者500円〜1,000円程度)ケースも有る様です。

なお、確定申告の時期には決算報酬として別途支払いが必要ですが、これについてはFX法人の場合は15万円〜20万円前後が相場の様ですね。

参考:年末調整業務を依頼する場合は、別途報酬が発生するケースも有ります(1万円程度。)

結局のところ、FX法人の場合は顧問料として月に1万〜1万5千円程度、決算報酬として15万〜20万円程度の年間合計25〜40万円程度が相場という事ですね(確定申告のみをお願いするのであれば、決算報酬のみで済みます。)

但し、上述の様に税理士によって顧問料はバラバラですし、FX法人とはいえ売上が増えると顧問料も高くなる可能性が有る、という事を忘れずに。

まとめ

いかがでしたか?

自分で色々経験してみたい!という人は、一年分くらいの申告はやってみても良いかもしれません。(本業に影響が出ないようにする必要があるのは言うまでもありませんけど。)

しかし、会計ソフト等の費用やFX専業法人の場合の年間顧問料は30万円前後とそこまで高くないことを考えれば、税理士に頼んだ方が費用対効果の観点からいえば有利かなというのが編集部の見解です。

節税策を講ずるにしても、決算期末に税理士に依頼するよりは期首から関わってもらっていたほうが計画的な節税が可能です。

そのあたりも考えて、税理士に頼むか否か判断してみてくださいね。

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