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FX個人投資家が会社設立するなら合同会社or株式会社のドッチが有利?

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現在、設立する事の出来る法人の形態には「株式会社・合同会社・合資会社・合名会社」の4種類が有ります。

FX個人投資家は、利益が大きくなって来ると法人成りを考える方が多いですよね。しかし、これら会社形態の中でどれを選ぶのが最も有利なのでしょうか?

補足:合名会社と合資会社は設立する方が皆無なので、無視します。また、かつては有限会社がありましたが、会社法が施行された2006年の5月に廃止されたため、それ以降新たに設立する事は出来ません。

ここでは、株式会社と合同会社の特徴から、FX個人投資家が会社設立をする際にどちらを選んだ方が良いのか、について見ていきます。

先に結論を一覧にしておくと、以下の様な感じです。(どちらの形態で設立した方が有利になるかの比較表です。)

項目有利な形態
信用株式会社
役員の選択肢株式会社
役員の任期合同会社
決算公告合同会社
設立までの日数合同会社
設立時のコスト合同会社
会計・税務違い無し

本文で1つずつ詳しく見ていきましょう。

目次

「信用度」は株式会社の方が高い!

株式会社の歴史は古く、1602年に誕生した「連合東インド会社」が起源といわれています。また、日本では1873年に設立された第一国立銀行(現:みずほ銀行)が最初の株式会社です。

一方の合同会社は歴史が浅く、会社法が施行された平成18年に新たな会社形態として誕生しました。

株式会社という言葉を初めて聞いたという方はまずいないでしょうが、合同会社は誕生してから20年程度しか経っておらず、決して知名度や信用度が高いとは言えません。

従って、借入をする際や新たな取引先と契約を結ぶ際に、「合同会社ですか・・・」と微妙な雰囲気になる事も有るでしょう。また、最近でこそ大分減りましたが、合同会社が登場した頃はあまり設立する人がいなかったので、「合同会社って何ですか?」と取引先に聞かれるケースも有った様です。

法人を立ち上げてもFXしかしないと決めている方は、借入や他社との重要な契約の必要があまり無いでしょうから合同会社でも問題無いでしょう。しかし、FX以外にも事業を広げていったり、外部からの出資を受け入れる可能性が有るのであれば、信用度が高い株式会社の方が有利でしょうね。

「役員の選択肢」は株式会社の方が多い!

株式会社では、出資者と経営者は別個のものと考えられています(「所有と経営の分離」といいます。)

従って、出資した方が役員になる必要は必ずしも無く、幅広く様々な方を役員として招き入れる事が可能です。

一方で、合同会社の場合は、「出資者=経営陣」となっているので出資者以外から役員を選ぶ事が出来ません(「所有と経営の一致」といいます)。但し、複数の出資者がいる場合は、その中から業務執行社員を定める事で、それ以外の社員は「出資をするだけ」という形にする事が可能です。

参考:株式会社では出資者を「株主」・経営陣を「役員(取締役など)」と言いますが、合同会社では出資者を「社員」・経営陣を「代表社員・業務執行社員」などと言います。

従って、出資者以外にも役員を受け入れたいという場合は、株式会社の方が有利ですね。

「役員の任期」面では合同会社の方が柔軟!

合同会社や株式会社の役員(取締役・社員)は登記事項です。そして、役員が変更する際には変更登記が必要となります。

大手企業であれば役員の変更はよく有るでしょうが、FXの為に法人を立ち上げた方にとって役員の変更はなかなかないでしょう。基本的にはずっと同じ方が役員でいるはずですよね。

しかし、それでも役員には「任期」という問題が有ります。

株式会社では最大で役員の任期を10年まで延ばす事が出来ますが(会社法332条第2項・336条第2項)、10年経過すると役員の改選・留任状況を登記しなければなりません。留任するにしても登記費用として登録免許税が10,000円必要となります。

参考:専門家等に依頼した場合は、別途手数料が必要です。また、資本金が1億円超の会社は登録免許税が3万円かかります。

一方で、合同会社の役員には任期が無いので、役員が変わらない限り株式会社の様に定期的に登記をする必要が有りません。

従って、役員の任期という点では合同会社の方が有利ですね。

「決算公告」の面では合同会社の方が有利!

会社を経営していると毎年決算が来ますよね。

会社法では、株式会社に対して定時株主総会の承認を得た後、遅滞無く貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)又はその要旨を公告する事を義務付けています(会社法第440条1〜3項)

そして、公告を怠ったり不正な公告をした場合は、100万円以下の過料が科される事になっているのです(会社法第976条第2項)

公告の方法としては、官報や新聞、自社のホームページに掲載する方法が有ります。自社のホームページに載せる場合は特にお金は必要無いでしょうが、その他の方法は数万円〜の掲載料が必要です。

なお、実務的には中小企業で法律通りに決算広告をしている会社はかなり少ないですね。これは、そもそも公告の義務が有る事を知らない方や、知っていても自社の経営状況を公開したくない、あるいは面倒くさい、といった方がいるからだと考えられます。とはいえ、法律上は義務が有ると知っておきましょうね。

一方で、合同会社については公告の義務は有りません。従って、公告という点で考えると合同会社の方が有利ですね。

「1日でも早く設立したい」という場合は合同会社の方が有利!

法人を設立するには書類を提出してからどれくらいの時間がかかるのでしょうか?

この点、株式会社は設立するのに通常1週間程度かかりますが、合同会社の場合は定款の認証が不要という事も有り2〜3日程度での設立が可能です。

参考:事前に全ての準備が整っていれば、最短1日で会社を設立する事も不可能では有りませんが、事前にしっかりと考えて万全の状態で設立すべきなので、あまりオススメ出来ません。

株式会社も合同会社も、設立までの日数を比べてみると大差は有りませんね。しかし、中にはどうしても早く設立したいという方もいるでしょうから、そういう方は合同会社にした方が良いでしょう。

法人は、法務局が設立登記を受理した日をもって「設立」となります。従って、法務局が閉まっている土日や祝祭日を会社の設立日にする事は出来ないですし、日付を遡って設立をする事も出来ません。

「設立時のコスト面」では合同会社の方が有利!

FX個人投資家が株式会社と合同会社のどちらにするかを選ぶ際に、最も大きなポイントとなるのがこの設立時のコストといっても過言では無いでしょう。

コストを出来る限りカットして、浮いた分は投資に回したいですものね。

株式会社を設立するには、自分で設立したとしても約24万円、司法書士等の専門家に依頼した場合はその報酬次第ですが、25〜30万円程度は覚悟しておいた方が良いでしょう。

一方で、合同会社の場合は自分で設立すれば約10万円、司法書士等の専門家に依頼した場合は10〜15万円程度で済みます。

小幡兼志公認会計士事務所
どちらがお得!?株式会社と合同会社の設立費用・維持コストの比較 | 小幡兼志公認会計士事務所 法人を設立する際に、「法人の設立費用や維持コストがどれくらいかかるのか」という点で悩んでいませんか?ここでは株式会社と合同会社の設立費用や維持コストがどれくらい...

従って、設立コスト面で考えると、合同会社の方が圧倒的に有利という事になりますね。

「会計や税務」での違いは無し!

設立した後の会計や税金の取扱は、株式会社も合同会社も違は無く同じ様に処理をして同じ様に税金の計算をします。

従って、この点に関してはどちらを選んでも有利・不利は無いですね。

まとめ〜こだわりが無ければ合同会社で!〜

いかがでしたか?株式会社は、一言で表すと「コストは若干高いけど信用度が高い」、合同会社は「コストは安く済むけど信用度が低い」といった感じですね。

FXで法人化する場合、会社で投資資金を借りる事は基本的に出来ません。従って、借入という面ではそれほど世間体を気にする必要が無いです。

また、新たに取引先を探すといった事もあまり無いでしょうから、資産管理や運営の為に設立するのであれば、敢えてコストのかかる株式会社ではなく設立コストの安い合同会社でOKでしょう。

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