減価償却とは?減価償却費の計算方法から目的までポイントがマルっと分かる記事

減価償却費の計算減価償却

減価償却制度は個人事業主にとっては非常に分かりにくい制度です。

なぜ分かりにくいのか?

端的に言うと、支払った年度に一括で費用処理できず、わざわざ数年に分けて費用処理していく!という減価償却の概念が、実生活ではなかなか出会うものではないからです。

とは言え、事業を始めたら「減価償却の概念・目的」をしっかりと理解して帳簿付けを行っていく事が求められます。

納得いかない部分もあるかもしれませんが、今回の記事で

  • 減価償却の目的
  • 減価償却費の計算方法
  • 減価償却に関して必要な手続
  • 個人事業主が使える減価償却の特例

などなど、減価償却を理解するためのポイント・経理処理のポイントをマルっと分かりやすく解説していきますので、この記事で減価償却の概要を理解してしまいましょう!

減価償却とは?概要や目的を把握

減価償却とは、減価償却資産(ex 建物・建物附属設備・機械装置・車両運搬具・器具備品)を取得するために払った金額を、一定の計算方法に基づいて使用可能期間にわたって各年分の必要経費として配分していく制度のことを言います。

各年分に配分する一番の目的は「期間損益の適正な把握」にあります。

減価償却資産は購入年度だけ使用するものではなく、業務を続けていくために何年も使用するものですよね。

たとえば、自動車を購入して1年で廃棄しますか?普通は、数年もしくは長い人なら10年・20年と利用し続けるでしょう。

何年も使用するものだからこそ、購入初年度に一気に費用処理することは出来ず、各年分に費用配分していかなければならないのです。

なお、減価償却費の計算を各々が好き勝手にやれるとなると、利益操作に使われたりしてしまうので、(税務上)事業者は法令等で定められた減価償却方法に基づいて粛々と減価償却を行っていくことが求められます。

減価償却の対象になる資産・ならない資産

減価償却の対象になる資産は、「時の経過により価値が減価していく固定資産」で、具体的には以下のようなものがあげられます。

【主な減価償却対象資産】

項目資産の種別の事例
有形固定資産建物、建物附属設備、構築物、機械装置、船舶、航空機、車両運搬具、工具、器具及び備品(PCやテーブルなど)
無形固定資産ソフトウェア、特許権、意匠権など

注1: 有形固定資産とは目に現物が見えるもの、無形固定資産とは現物が見えないものと考えて下さい。
注2:個人事業主の場合、減価償却対象資産であっても「①取得価額が10万円未満のもの」または「②使用可能期間が1年未満のもの」は、取得年度に一括で必要経費に算入されるので、減価償却をする必要はありません。(参考:所得税法施行令138条)

 
一方で、固定資産に該当するものであっても「時の経過により価値が減価しない資産」または「現に稼働していない資産」は減価償却の対象にはなりません。また、棚卸資産や有価証券等、いわゆる貸借対照表の流動資産に計上される資産も減価償却の対象にはなりませんよ!

【主な非償却性資産】

項目
価値が減価しない資産土地、1点100万円以上で歴史的価値のある美術品など
業務に使っていない資産建設中の資産、稼働休止している資産
その他貸借対照表の流動資産に計上される資産(+繰延資産)

減価償却費の計算をする前に知っておきたい用語とその意味

チェックマーク

ここからは実際に減価償却費の計算を見ていきたいのですが、実際の計算を見る前に減価償却関連の知っておきたい用語とその意味を紹介しておきたいと思います。

これらを理解していないと、そもそも計算がチンプンカンプンになってしまいますからね。説明する用語・意味は以下の6つ。

  • ①取得価額
  • ②未償却残高
  • ③減価償却累計額
  • ④償却方法
  • ⑤耐用年数
  • ⑥償却率

用語①:取得価額とは(取得価額に含めるもの・含めないもの)

減価償却をする上で「取得価額」は非常に大事です。償却費の計算を行う際の基礎になるものだからですね。

この点、個人事業主の場合は以下のポイントを抑えておけばOKです(参考:所得税法基本通達37-5同49-3)

  • ①:取得時の売買代金の中に含まれる固定資産税以外の税金は必要経費に算入する
  • ②:①以外のものは基本的に取得価額に算入する

取得にかかる費用で、「取得価額に算入するもの」「必要経費にするもの」を簡単にまとめると以下のようになります。

項目事例
必要経費に算入
不動産取得税、登録免許税(司法書士への報酬も含)、事業所税、自動車取得税、売買に関連しない固定資産税など
取得価額に算入
引取運賃、荷役費、運送保険料、関税、仲介手数料、購入手数料、観点料、測量費、設計料、立ち退き料、据付費・試運転費などの事業供用費用、土地建物の取得に際して支出する固定資産税相当額など
注:当該記事は個人事業主向です。法人の場合は法人税法の規定に従って下さい。

なお、個人事業主における借入金の利子の取扱は別途「個人事業主の借入金利子の取扱【記事未了】」で詳しく解説していますので、そちらを参考にして下さい。

また、自動車もかなり複雑なので取得価額に含めるもの・含めないものを別途解説しています。「自動車取得時の仕訳【記事未了」を参考にして下さい。

用語②と③:未償却残高&減価償却累計額とは

用語意味
未償却残高取得価額のうちまだ減価償却されていない部分のこと。資産取得1年目の未償却残高は取得価額と一致します。
減価償却累計額これまで計上した減価償却費の額の合計額のこと。

関係性としては「取得価額=未償却残高+減価償却累計額」となります。

用語④:償却方法とは

償却方法とは「減価償却費の計算方法」のことです。

日本では「定額法」「定率法」「生産高比例法」「級数法」の4つの償却方法がよく取り上げられます。

【4つの減価償却方法の特徴】

償却方法特徴
定額法
取得価額を計算に用いるため、毎年同額の減価償却費が計上される方法。最も直感的に把握できる。個人事業主の法定償却方法。
定率法
未償却残高に対して定率の割合で毎年の減価償却費が計上される方法。最初の年ほど減価償却費として計上される金額が多く、年を経るにつれて逓減していく。
生産高比例法
固定資産の耐用期間中の生産量等の割合に応じて比例的に減価償却費を計上する方法。
級数法
定率法の簡便法。定率法と同様に最初に多くの減価償却費が計上され、徐々に計上額が減っていく方法。

特徴をまとめると上記のようになりますが、級数法は税務上は認められておらず、また生産高比例法は鉱業用資産などの限られた資産でしか利用が認められていないため、実務上は「定額法」と「定率法」の2つを抑えておけばOKです。

なお、個人事業主の法定償却方法は「定額法」です。

償却方法は建物や機械装置、車両運搬具といった資産の種類別に選択することが出来ますが、現在個人事業主が償却方法を選択できるのは「機械装置・車両運搬具・工具・器具及び備品」だけです。

建物・建物附属設備・構築物・無形固定資産などは「定額法」以外は選択できないため、必ず定額法で償却していくことになります。(昔は建物に定率法を使えたりしたのですが、改正により定額法のみとなっています)。

個人事業主が選択可能な減価償却方法と法定償却方法まとめ【比較で法人もあり】
個人事業主及び法人の減価償却資産の法定償却方法及び選択可能な償却方法を一覧にしてまとめてみました。税制改正に対応した過去からの償却方法の変遷についてもまとめています。個人事業主の法定償却方法は定額法ですが、定率法を利用することで節税になることもあるので、定率法も選択可能である事を知っておきましょう!

【参考】償却方法を変更したい場合の手続方法

個人事業主の法定償却方法は「定額法」なので、税務署への届出等を行わなければ自動的に「定額法」で償却する必要があります。

もし、定率法を選択したいのであれば以下の区分に従って、提出期限までに書類を提出するようにして下さい。

区分提出書類提出期限
新規開業者(相続により新規開業した含む)減価償却方法の届出書開業年の確定申告期限(通常、開業年の翌年3月15日)
既存の方法を変更する方減価償却方法の変更承認申請書変更しようとする年の3月15日

詳細には「減価償却方法を変更する場合の手続方法」をご参照くださいね。

用語⑤:耐用年数とは

耐用年数とは、資産の種類や構造用途・細目ごとに財務省令によって定められた減価償却資産の使用可能期間の事です。

減価償却費の計算は、耐用年数に対応した「償却率」を用いて行っていくため、耐用年数の決定は非常に重要です。

一例として、個人事業主の減価償却資産としてよく出てくる資産の耐用年数を紹介しておきます。

資産の種類構造用途・細目耐用年数
建物住宅用の木造貸アパート22年
構築物駐車場のアスファルト舗装10年
車両運搬具普通乗用車6年
車両運搬具軽自動車4年
器具・備品事務机(金属製)15年
器具・備品事務机(金属製以外もの)8年
器具・備品PC4年

耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表で細かく定められているので、資産を取得するごとに耐用年数省令等を参考に耐用年数を決定して下さい。

なお、資産の耐用年数(使用可能期間)なんて、利用する個人によっても変わるのに、なぜ一律に定められているの?

と思ったかもしれませんね。

疑問を持つ女性

こちらも「利益操作を防ぐ」目的があるのはもちろんですが、むしろ「納税者の事務負担の軽減」という目的があることも知っておきましょう。

そもそも、資産の耐用年数の決定が出来ないと減価償却費の計算も出来ません。
にも関わらず、「各納税者が自分の判断で耐用年数を判断して計算をやって下さい!」と言われたらどうでしょうか?

非常に面倒ですよね。しかも決定した耐用年数がおかしかったら税務調査で否認される可能性もあります。

そのような面を含めて考えると、「色々と異論はあるかもしれないけれど、国が一律にこの資産の場合はこの耐用年数でやって下さい!」と言ってくれた方が簡単なんですよ。

とは言え、耐用年数表は資産の種類ごとにかなり細かく設定されているので、自分が取得した資産に適用する耐用年数を探し出すのも一苦労ですけどね・・・。

【注意】中古資産の耐用年数の求め方

さきほど紹介した耐用年数は「新品」を取得した時の話です。

中古資産を取得した時は、新品の時とは別の耐用年数の求め方が定められており、以下のいずれかの方法によって決定します。

①見積使用可能期間
②簡便法により算定した年数

実務的には①の方法ではなく「②の簡便法による方法」により中古資産の耐用年数を決定していきますよ。

簡便法による算定方法は、取得した資産が既に法定耐用年数(*)の全部を経過しているか、それとも一部を経過しているのかによって計算方法が以下のように変わりますよ。

* 法定耐用年数とはさきほど見た「耐用年数省令」で定められている新品の資産ごとの耐用年数のことですよ。
中古資産の耐用年数
  • ①法定耐用年数の全部を経過した資産⇒その法定耐用年数の20%に相当する年数
  • ②法定耐用年数の一部を経過した資産⇒(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

注1:計算結果に1年未満の端数がある時は切り捨て。
注2:計算結果が2年に満たない場合は2年になる。

計算の具体例は「No.5404 中古資産の耐用年数|国税庁」や「中古車の減価償却のポイント」などをご覧になって下さい。

用語⑥:償却率とは

償却率とは、耐用年数ごとに定められた減価償却費計算時に使用する「率」のことです。

償却率は、償却方法によっても異なります。
参考までに定額法と定率法の耐用年数2年~10年の償却率をまとめておくと以下のようになります。

耐用年数定額法の償却率定率法の償却率
2年0.5001.000
3年0.3340.667
4年0.2500.500
5年0.2000.400
6年0.1670.333
7年0.1430.286
8年0.1250.250
9年0.1120.222
10年0.1000.200
注:定額法は平成19年4月1日以後取得分の償却率、定率法は平成24年4月1日以後取得分の償却率です。

ちなみに定額法の償却率の計算方法は「1÷耐用年数」です。定率法は「定額法の償却率×200%」で算出されています。

なお、全ての耐用年数に対応した償却率は下記記事でまとめています。

減価償却資産の耐用年数に対応した償却率表まとめ【定額法・定率法】
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減価償却費の計算方法を具体例付で解説

ビジネスイメージと計算機

用語の意味が分かったところで、実際に減価償却費の計算方法を簡単な事例とともに見ていきたいと思います。

個人事業主の法定償却方法は「定額法」なので、ここでは以下の前提のものとでの「定額法」の計算方法を見ていきたいと思います。

定率法の計算方法や定額法をもっと深堀りして知りたい方は、以下の記事も参考にしてくださいね。

定額法とは?計算方法と定額法・旧定額法の違いを解説
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定率法での減価償却費の計算方法をサクッと解説!旧定率法など過去分の方法との比較もあり!
直感的に理解できる定額法と比べると、難しいのが定率法の計算方法ですね。税制改正で複数の制度が存在している事も分かりにくさに拍車をかけています。今回は200%定率法、250%定率法、旧定率法の全てを計算式付きで分かりやすく解説していきます。
定額法の計算式
取得価額×定額法の償却率×(1年のうちで事業に使った月数÷12)
計算の前提条件
取得資産:PC
取得価額:20万円
耐用年数:4年
定額法の償却率:0.250
その他:事業年度の開始月に使用開始したものと仮定

計算式を見れば分かるように、定額法の計算方法は非常に簡単ですね。

毎年取得価額に償却率をかけていくだけでOK。

各年度の減価償却費計上額は以下のようになります。

1年目:20万円×0.25×(12÷12)=50,000
2年目:20万円×0.25×(12÷12)=50,000
3年目:20万円×0.25×(12÷12)=50,000
4年目(最終年度):20万円×0.25×(12÷12)=50,000-1=49,999

最終年度は簿価1円を残して償却費を計上するルールがあるため、最終年度だけ「1円」を引いた49,999円となります。どうですか?簡単ですよね。

期中に取得した資産は月割で減価償却費を計上

さきほどの事例では事業年度の開始月(個人事業主で言えば1月)に資産を取得・使用開始したものと仮定して減価償却費の計算をしました。

ただ、期の途中で減価償却資産を購入・使用開始した場合には、減価償却費を月割で計算するようにして下さい。

たとえば、さきほどの事例の資産の取得月が2月だったとしたら、購入年度に使用した月数は11ヶ月ですね。(個人事業主の事業年度は一律で1月~12月の暦年です)。

各年度の計算式は以下のようになりますよ。

1年目:20万円×0.25×(11÷12)=45,834
2年目~4年目:20万円×0.25×(12÷12)=50,000
5年目(最終年度):20万円×0.25×(1÷12)=4,166-1=4,165

1年目と最終年度が月割になっていることが分かりますね。

減価償却費の円未満の端数処理は切上げでも切捨てでもどちらでも構いませんよ。

その他、相続した資産の減価償却費や償却方法を変更した場合

相続で取得した資産の減価償却費や償却方法を「定額法⇒定率法」、「定率法⇒定額法」に変更した時の減価償却費の計算方法は少し特殊です。

別途記事を書いていますので、該当する方はそれぞれの記事を参考にして下さいね。

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固定資産と減価償却の仕訳まとめ

減価償却費の計算例を見たところで、簡単に固定資産&減価償却の仕訳を見ておきましょう。

事例は先ほどの計算例で使ったものを基本的に使用します。

仕訳の前提条件
取得資産:PC
取得価額:20万円
耐用年数:4年
定額法の償却率:0.250
その他:事業年度の開始月に使用開始したものと仮定

固定資産購入時の仕訳

借方貸方摘要
器具及び備品 200,000現金(又は預金) 200,000仕事用のPC

借方の資産勘定は購入した資産ごとに適切な種類ものを選んでくださいね。PCは器具及び備品に該当します。

減価償却費計上時の仕訳

減価償却費の仕訳方法は「直接法」と「間接法」の2種類あります。

  • 直接法・・・帳簿上、固定資産の価額を直接減額する方法
  • 間接法・・・減価償却累計額という評価勘定を使って間接的に固定資産額を減らす方法

【直接法を採用した時の仕訳】

借方貸方摘要
減価償却費 50,000器具及び備品 50,000仕事用のPCの減価償却1年目

【間接法を採用した時の仕訳】

借方貸方摘要
減価償却費 50,000減価償却累計額 50,000仕事用のPCの減価償却1年目

減価償却累計額勘定を使うと、管理していることが一般的に個人事業主や小規模法人は直接法で管理していることが多いかなという印象です。

なお、どちらを選ぶかによって貸借対照表の資産金額の表示のされ方が変わってきます。

貸借対照表での表示のされかた

  • 直接法の場合・・・資産額として未償却残高が表示される
  • 間接法の場合・・・資産額として取得価額が表示される一方で、控除項目として減価償却累計額も表示される

会計ソフトを使っていれば、資産ごとの減価償却累計額は固定資産台帳で把握できるので、筆者的にも個人事業主の方は直接法で処理した方が楽かなと思いますよ。

売却時の仕訳

追加の前提:1年目終了後に当該PCを18万円で売却した。この時点での未償却残高は15万円である。

1年目に減価償却費5万円を計上しているので、事例のPCの未償却残高は15万円です。

【直接法を採用した時の仕訳】

借方貸方摘要
現金 180,000器具及び備品 150,0001年目終了時に仕事用PCを売却した
固定資産売却益 30,000

直接法の場合は帳簿上の未償却残高を貸方に持ってきて、受け取った代金を借方に持ってきます。差額で利益が出ているなら貸方に売却益を計上し、損が出ているなら借方に売却損を計上します。

【間接法を採用した時の仕訳】

借方貸方摘要
現金 180,000器具及び備品 200,0001年目終了時に仕事用PCを売却
減価償却累計額 50,000固定資産売却益 30,000

間接法の場合は、資産の取得価額を貸方に、これまでの減価償却累計額を借方に持ってきます。受け取った代金を借方に計上したら、あとは直接法の場合と同様に差額概念で売却益OR売却損を計上するだけです。

除去時の仕訳

除却(廃棄)する時は売却のときと違って「益」が発生することはありません。

「損(固定資産除却損)」のみが発生します。

追加の前提:1年目終了後に当該PCを18万円で売却した。この時点での未償却残高は15万円である。

【直接法での仕訳】

借方貸方摘要
固定資産除却損 150,000器具及び備品 150,0001年目終了時に仕事用PCを除却(廃棄)

【間接法での仕訳】

借方貸方摘要
減価償却累計額 50,000器具及び備品 200,0001年目終了時に仕事用PCを売却した
固定資産除却損 150,000

除却の場合は代金の受取が無いので、未償却残高がそのまま除却損になりますよ。

10万円未満の必要経費算入・一括償却資産・少額減価償却資産の特例も知っておこう!

ここまで、「通常の減価償却費の計算方法」について見てきましたが、個人事業主が取得した取得価額30万円未満の資産に関しては、以下のような処理が認められています。

まで「通常の減価償却」を適用しなければならないとなると、納税者の事務負担が大きくなってしまいます。そこで、取得価額が30万円未満のものに関しては以下のような処理が認められています。

取得金額内容
①10万円未満の資産(または使用可能期間1年未満の資産)
個人事業主の場合、10万円未満の資産は全て必要経費に算入する。そのため、減価償却資産として計上する必要はない。
10万円以上20万円未満の資産(一括償却資産)
1個もしくは1組あたりの取得価額が10万円~20万円未満の資産は、3年で均等償却が可能。適用金額に上限なし。
③10万以上30万未満の資産(少額減価償却資産の特例)
青色申告者は1事業年度300万円を上限として、取得価額30万円未満の資産を購入年度に一気に費用計上可能

ポイントはまず「①10万円未満の資産」ですが、そもそも個人事業主は取得価額10万円未満の資産は全て必要経費にしなければなりません。(参考:所得税法施行令138条)

これは「できる規定」ではなく「する規定」なので、逆に10万円未満のものを資産計上すると誤りになってしまうので注意しましょう。逆に言えば、個人事業主にとっての減価償却資産は取得価額10万円以上のものから!と言うことが出来ます。

また、10万円以上30万円未満の資産に使える少額減価償却資産の特例は「青色申告者」しか利用できませんので、注意しておきましょう。

この辺りは以下の記事で詳しく述べていますので、そちらもご参照下さい。

【個人事業主向け】しっかり分かる一括償却資産とは!少額減価償却資産との違いや仕訳の具体例も解説!
一括償却資産とは、10万円以上20万円の資産の全部または一部を一括して資産としてグルーピングを行い、3年に渡って均等償却していく資産のことを言います。頻繁に使う事はないかもしれませんが、制度の存在を知っておくといざという時に役立つかもしれません。
【個人事業主向】少額減価償却資産の特例とは?要件から仕訳までマルッと解説!
少額減価償却資産の特例とは1事業年度あたり300万円までなら取得価額30万円未満の減価償却資産を一気に費用処理出来る制度です。利用は青色申告をしている人しか出来ませんが、もし利用できるなら是非利用したい制度。利用要件や仕訳までまとめて解説しています。

最後に~確定申告(青色申告)を簡単に終わらせるなら!

以上、減価償却の基本を解説してきました。

やはり、制度として面倒くさい・・・と感じた人が多いのではないでしょうか?もし確定申告を簡単に終わらせたいのであれば「会計ソフトの利用」をオススメします。

会計ソフトを利用すれば「資産種類・耐用年数・償却方法」を選択するだけで、会計処理に必要なことは全部会計ソフトがやってくれますよ。

EXCELなどで自分で計算するのも良いですが、やはりタイムイズマネーです。個人事業主なら年間1万円程度で会計ソフトが使えます。

減価償却費面倒くさいなぁ・・・と思われた方は是非会計ソフトの導入を考えてみてくださいね。

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